母乳が出ないなんて、まさか想像もしていませんでした。
当然、赤ちゃんにはミルクより母乳のほうが体に良さそうだし、出産したら誰でも母乳がでるものだと思っていました。
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出産予定日より1ヶ月早く出産して未熟児の赤ちゃんは母乳を吸う元気もなかったのです。

産前休暇が始まって、体調もよくマタニティスイミングも通っていました。
友達とゆっくりランチも出産したら当分できないと思ったので、結構お出かけもしていました。
それでも検診では、体重の増加を指摘されることはあったけれど特に問題もなかったのですが、出産予定日の1ヶ月ほど前の夜中にトイレに行くと、大量の水っぽいものが出ました。
びっくりして病院に電話をすると、破水だと思うからすぐに入院する準備をして来てください。と言われました。
その日は平日で夫はまだ会社の同僚と飲んで帰ってきていません。
近くに住む母親に電話をしてすぐに病院に向かいました。
そのときは、まったくお腹も痛くなくてまさかこれが破水なんて信じられない気持ちでした。
それから、病院で看てもらうと、やはり破水しているからすぐに出産の準備に入ります!と言われました。
その後、少しずつ陣痛が始まりました。
気持ちの準備ができないまま、次の日のお昼ごろに出産しました。
1ヶ月くらい早く出産したので赤ちゃんが心配でしたが、とりあえず元気に出てきてくれました。
出産して落ち着くと、毎日母乳指導といって、1日2回看護師さんから母乳を出すためにいろいろ教えてもらう時間がありました。
ただ、赤ちゃんは小さくてうまく母乳を吸うことができず、嫌がって真っ赤な顔をして泣き続けます。
こっちが泣きたいよ・・・と思いながら入院中は、毎日決まった時間になると指導を受けに通いました。
でも、一向に赤ちゃんは母乳を吸うことができず、毎日真っ赤な顔で泣き続けるのです。
だんだん母乳指導の時間が苦痛になってきた頃、先生に呼ばれて、体重の伸びが良くない。たぶん母乳を飲ませようとして、泣くことで体力を使ってしまい、ミルクを飲む元気がなくなっているのでは?
なので、母乳をあげようと挑戦することはいいんだけど、時間を決めてダメならミルクにきりかえてあげてください。と言われました。
もう、母親失格!と言われたような気がして、夜1人で泣き続けました。
退院するときも体重の伸びが良くないからこのまま入院させるかどうか。最後まで話し合いましたが、家に連れて帰ることにしました。
それからもいろいろと試しましたが、やっぱりわが子は母乳の時間になると、真っ赤な顔をして泣き叫びます。
すっかり母親としての自信を失っていました。
そんなときに、私の母が、
「母乳がダメだったらもう頑張らなくてもいいんじゃない?母乳をあげるだけが育児じゃないし、ミルクだから体に悪いってこともないし。悲しみながら生活するのは赤ちゃんにも良くないよ。」と言ってくれました。
それからは、母乳をあきらめてミルクで育てると決めて、そのかわりたくさんの時間を赤ちゃんと目を合わせてコミュニケーションをとろうと決心しました。
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今の日本は母乳神話がすごい!なぜか後ろめたい気持ちで育児をしていました。
もうミルクで育てよう!と決めてから、毎日の苦痛の母乳時間がなくなり、気持ち的にはだいぶ軽くなりました。
ただ、それでも、親戚一同
「なんでミルクなんかで育てるんだ、母乳のほうが体にいいのに。」
と面と向かって言われたし、どの育児本を読んでも、母乳がいい!という内容ばかりです。
人は知らないうちに傷つけているということが分からないんだな・・・
と落ち込むことが多かったですが、今振り返ると、母乳とミルク、どちらがいいか。なんて決める必要もなかったなと思います。
今では息子は、ボール投げも50m走も1番、2番の成績を出しています。
あんなに小さかった体もたくましく、とても1年生には見えないといわれるくらいに成長しました。
だから、わたしは、母乳が出ない。ということで悩んだり、
うちの子だけ夜泣きが激しい、うちの子だけ笑わない。
そんな育児に悩んでいるママの気持ちが痛いほどわかります。
そういう悩みって、口に出すこともできないくらいつらいんですよね。
でも、そういう経験って、あとで生かされると思っています。
人の気持ちが理解できるようになるし、ママたちの悩みに寄り添うことができる。
今つらい育児をしているママにも、きっとずっと永遠に続くものではないよ!と言ってあげたい。
子供はママが抱っこしてくれる、ママが目を見て話しを聞いてくれる。
それだけで満たされます。
それ以外は、方法なんてどうでもいいと思います。
ママが笑顔でいること、それ以上に大事なことはないです。
だから、育児で悩んでいることがあったら、勇気をもって手放してみたらいいと思います。
それでママの気持ちがラクになって笑顔になれるなら、それが正解なんですよね。
母乳が出なくて、悲しい想いをしているママには、自信を持って言えます。
母乳をあげるだけが育児じゃない、子供に愛を伝える方法はほかにいっぱいあるから。
ぜひ、今しかない赤ちゃんとの時間を楽しんでくださいね。