伏見稲荷大社と狐について
伏見稲荷大社の始まりですが、むかし、京都に「秦伊呂具(はたのいろぐ)」という裕福な豪族がおり、ある日、「秦伊呂具(はたのいろぐ)」は、丸い餅を的にして矢を射て遊ぼうとしたところ、
なんと突然、
その餅が白い鳥に変わり、山の峰に飛び去りました。そして、不思議なことに、白い鳥が舞い降りた峰に稲がたわわに実ったそうです。
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「秦伊呂具(はたのいろぐ)」は、この出来事を神様がなされたことと思い、その山の峰に小さな社を建て、稲、穀物の神様をまつりました。それが、711年の伏見稲荷大社の起源と言われています。
この神様の名前は、「稲が生った」ということで、「稲生り」の神様となり、「稲荷神」というような呼ばれ方をするようになったようです。
その山の峰が「奥社奉拝所(おくしょほうはいしょ)」の奥にある稲荷山になり、この稲荷山が白い鳥が降り立ったところだそうです。
なので、この稲荷山全体が神さまの山、つまり御神体ということになります。

実は、「奥社奉拝所(おくしょほうはいしょ)」は、稲荷山をお参りする場所なのです。
現在の伏見稲荷大社に祀られている神様は、稲、穀物に関わる神様が関係するそうです。
古事記によると、水を司る神であるスサノオにはたくさんの子供がいましたが、その中に宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)という神様がおり、
ウカノミタマの「ウカ」という言葉が、稲や穀物を表す言葉だそうで、このため、ウカノミタマは稲作の神様となり、いつしか「秦伊呂具(はたのいろぐ)」が祭った稲荷神と同一視されていったという経緯があり、
このため、現在の伏見稲荷大社は、御祭神として「宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)」を祀っています。
そして、「宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)」と関係するのが、伏見稲荷大社のシンボルとも言うべきなのが、きつねです。

伏見稲荷大社の御祭神がきつねと勘違いされる方も多いですが、実は違っていて、きつねは神使(しんし)であって、神さまのお使いになり、神様の意思を私たちに伝えてくれるお使いのことです。
つまり、きつねは「宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)」の意思を伝える稲荷大社の神使であり、このため伏見稲荷大社の境内ではたくさんのきつねの姿を見ることができます。
どうして、きつねは稲荷大社の神使になったかというと、きつねというのは、春先に山から里に下りてきて稲を荒らすネズミや害虫を駆除し、黄金色のしっぽがたわわに実った稲穂にも見えることから、五穀豊穣を司る神のお使い、神使となったのです。
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稲荷大社に続く道には、すずめが売っていました。
すずめは稲をあらすものとして焼かれているのでしょうね。
そのため、境内には稲や穀物に関わるものを咥えているきつねがいます。例えば、稲倉の鍵を咥えているきつねや、五穀豊穣を祝う黄金の稲穂を咥えたきつねを見かけることができます。
是非、皆さんも伏見稲荷大社に行かれた時は、境内にいるきつねが何を咥えているのか観察してみてください。伏見稲荷大社ときつねの関係を知っていると、きっと楽しいお参りになると思いますよ。
